MySQLでFLOAT型を定義

MySQLでFLOAT型を定義

MySQLでFLOAT型を定義する方法について説明します。
FLOAT型は浮動小数点数を扱うために使用され、数値データのうち、小数点を含む値を保存するのに適しています。
MySQLには、FLOATとDOUBLEの2つの浮動小数点型があり、精度に違いがあります。
FLOATは、DOUBLEに比べて精度が低く、主にメモリの節約が必要な場合や、高い精度が不要な場合に使用されます。

FLOAT型の基本的な定義

MySQLでFLOAT型を定義する際は、次のような構文を使います

CREATE TABLE テーブル名 (
  カラム名 FLOAT(精度, スケール)
);

FLOAT型は、(精度, スケール)という形式で指定することができ、精度は全体の桁数、スケールは小数点以下の桁数を表します。
たとえば、FLOAT(7, 3)と定義した場合、最大で7桁の数値を保存でき、そのうち3桁が小数点以下の桁数として扱われます。
このため、値の範囲は-9999.999から9999.999となります。

精度とスケールの指定

FLOAT型の精度とスケールは省略可能であり、省略した場合はMySQLがデフォルトの値を使用します。
FLOAT型を定義する際に、精度やスケールを指定しなければ、MySQLはその型の最大範囲内で値を扱います。

例えば、次のようにFLOAT型を定義できます

CREATE TABLE products (
  price FLOAT(5, 2)
);

この場合、priceカラムには、最大で5桁の数値を保存でき、そのうち2桁が小数点以下の値として保持されます。
具体的には、99.99までの値を保存できるようになります。

浮動小数点数の精度の問題

FLOAT型は精度が限られているため、特定の値を正確に表現できない場合があります。
これは、コンピュータが内部で浮動小数点数を二進数で表現するため、一部の小数点数は近似的にしか保存できません。
そのため、精度が重要な金融計算などでは、FLOAT型の使用を避け、DECIMAL型やNUMERIC型を使用する方が適切です。
DECIMAL型は、固定小数点数として数値を保持し、浮動小数点数のように精度の誤差が生じることを防ぎます。

一方、FLOAT型の利点は、比較的少ないメモリで大きな範囲の数値を扱えることです。
MySQLでは、FLOAT型は通常4バイトを使用し、約7桁の有効桁数を保持します。
DOUBLE型では、より多くのメモリを使用し、15桁程度の有効桁数を保持できるため、精度を優先する場合はDOUBLE型を使用するのが一般的です。

ゼロ埋めや符号付きの値

FLOAT型のカラムには、符号付きまたは符号なしのオプションを指定することができます。
デフォルトでは符号付きであり、正の数と負の数の両方を保存できますが、UNSIGNEDを指定することで正の数のみを扱うこともできます。
以下はその例です

CREATE TABLE scores (
  score FLOAT UNSIGNED
);

この場合、scoreカラムには正の数のみが保存され、負の数は保存できません。

まとめ

MySQLでFLOAT型を使用する場合は、主にメモリ効率を考慮しつつ、精度の問題を理解して選択することが重要です。
FLOAT型は、浮動小数点数を扱うためのデータ型で、(精度, スケール)で表すことができ、特定の精度を持たない近似的な数値を効率的に保存できます。
ただし、精度が重要なケースではFLOAT型は適していないため、その場合はDECIMALやDOUBLEなどのデータ型を検討する必要があります。