SCSSとSASSは何が違うのか

SCSSとSASSは何が違うのか

SCSS (Sassy CSS) と SASS (Syntactically Awesome Style Sheets) は、どちらも SASS 言語のシンタックス(構文)ですが、主に次の点で違いがあります。

1. シンタックスの違い

  • SCSS

CSS とほぼ同じ構文を持ち、既存の CSS コードに対して簡単に拡張できます。
SCSS では、通常の CSS と同様にセミコロン ; や中括弧 {} を使用します。
これにより、CSS 開発者がスムーズに移行できる利点があります。

  • SASS

インデントベースのシンタックスで、SCSS よりもシンプルな構文です。
セミコロンや中括弧を使用せず、インデント(スペースやタブ)によってブロックを表現します。
Python のシンタックスに似ており、コードが簡潔になる一方で、読みやすさが犠牲になることもあります。

2. コードの記述方法

  • SCSS の例
.test-container {
  color: #333;
  .test-child {
    background-color: #fff;
  }
}
  • SASS の例
.test-container
  color: #333
  .test-child
    background-color: #fff

3. 互換性と普及度

  • SCSS

CSS と完全に互換性があり、CSS の全ての機能をそのまま利用できます。
また、多くの開発者が CSS からの移行を容易に行えるため、SASS よりも普及しています。

  • SASS

SCSS に比べると使われる頻度が少なく、特に新しいプロジェクトでは SCSS が一般的です。

4. ファイル拡張子

  • SCSS

.scss

  • SASS

.sass

5. コンパイル結果

どちらのシンタックスでも、コンパイル後に生成される CSS は同じです。
選択するのは、コードの書きやすさやチームの好みによります。

まとめ

SCSS は従来の CSS に非常に近い構文で、CSS 開発者にとって使いやすく、一般的に使用されます。
一方、SASS はシンプルでインデントベースの構文を持ち、コードが短くなりますが、慣れが必要です。
どちらを選ぶかはプロジェクトやチームのニーズによりますが、互換性や普及度を考慮すると、SCSS の方が一般的です。