SCSSでbemを使用する場合の書き方

SCSSでbemを使用する場合の書き方

BEM (Block, Element, Modifier) は、CSS クラス名の命名規則であり、コードの可読性とメンテナンス性を向上させるために使用されます。
BEM を使うことで、HTML 要素の階層構造を明確に表現できます。
SCSS で BEM を使用する場合の一般的な書き方を紹介します。

1. BEM の基本構造

  • Block:

独立した意味を持つ要素。
例えば、ナビゲーションバー、ボタン、フォームなど。

  • Element:

ブロックの一部であり、そのコンテキスト内で意味を持つ要素。
例えば、ボタンのテキストやナビゲーションバーのリンクなど。

  • Modifier:

ブロックまたはエレメントの外観や振る舞いを変更するもの。
例えば、ボタンの色やフォームのエラーメッセージなど。

BEM の命名規則は以下の通りです。

  • Block: .block
  • Element: .block__element
  • Modifier: .block--modifier または .block__element--modifier

2. SCSS での BEM の書き方

SCSS を使用して BEM のスタイルを記述する際には、ネストを活用すると効率的です。
以下は、典型的な例です。

例 1: 基本的な BEM の構造
.test-button {
  display: inline-block;
  padding: 10px 20px;
  background-color: #007bff;
  color: #fff;
  text-align: center;
  border-radius: 5px;

  &__icon {
    margin-right: 5px;
    font-size: 16px;
  }

  &__text {
    font-size: 14px;
  }

  &--large {
    padding: 15px 30px;
    font-size: 18px;
  }

  &--secondary {
    background-color: #6c757d;
  }
}
例 2: BEM とネストを活用したスタイル

以下の例では、.test-card ブロックを持つコンポーネントのスタイルを定義します。

.test-card {
  background-color: #fff;
  border-radius: 10px;
  box-shadow: 0 2px 10px rgba(0, 0, 0, 0.1);
  padding: 20px;

  &__header {
    font-size: 20px;
    font-weight: bold;
    margin-bottom: 10px;
  }

  &__body {
    font-size: 16px;
    line-height: 1.5;
  }

  &__footer {
    margin-top: 20px;
    text-align: right;

    &--highlight {
      color: #ff6347;
    }
  }

  &--bordered {
    border: 1px solid #e0e0e0;
  }

  &--shadow {
    box-shadow: 0 4px 20px rgba(0, 0, 0, 0.15);
  }
}
例 3: メディアクエリと BEM

BEM の構造にメディアクエリを組み込む場合も、ネストを活用します。

.test-header {
  background-color: #333;
  color: #fff;
  padding: 10px;

  &__title {
    font-size: 24px;

    @media (min-width: 768px) {
      font-size: 32px;
    }
  }

  &__subtitle {
    font-size: 16px;
    color: #ccc;

    @media (min-width: 768px) {
      font-size: 20px;
    }
  }
}

3. SCSS を使用した BEM のベストプラクティス

  • ネストは 1 階層までに抑える:

深いネストは避け、メンテナンスしやすいコードを心がけます。

  • 適切な命名:

BEM の命名は、コンポーネントの構造と役割を明確にするため、わかりやすい名前を付けることが重要です。

  • モディファイアの活用:

ブロックやエレメントにスタイルのバリエーションを持たせる場合、モディファイアを効果的に活用します。

まとめ

SCSS で BEM を使用する際には、ネストを効果的に使いながら、コードの可読性と再利用性を保つことが重要です。
BEM の命名規則に従うことで、CSS の管理が容易になり、大規模なプロジェクトでも一貫性を保つことができます。