MybatisでSQLが発行される仕組み
MyBatisでSQLが発行される仕組み
MyBatisは、Javaのオブジェクトとデータベースのテーブルとの間でSQLを自動的に生成し、実行するためのフレームワークです。
SQLが発行されるプロセスは以下のように進行します。
1. MapperインターフェースとXMLの関連付け
MyBatisでは、Mapperインターフェースと呼ばれるJavaインターフェースを定義します。
このインターフェースには、データベースに対して実行したい操作をメソッドとして宣言します。
たとえば、test_userというテーブルに対してデータを取得するためのメソッドを持つTestUserMapperインターフェースを考えます。
public interface TestUserMapper { TestUser selectUserById(int id); }
このインターフェースに対応するXMLファイル(TestUserMapper.xml)を作成し、selectUserByIdメソッドに関連するSQL文を定義します。
2. SQLの定義
XMLファイル内では、selectタグを使ってSQL文を定義します。
selectUserByIdメソッドに対応するSQLは以下のように記述します。
<select id="selectUserById" parameterType="int" resultType="TestUser"> SELECT * FROM test_user WHERE id = #{id} </select>
この例では、selectUserByIdメソッドが呼ばれると、MyBatisはこのselectタグ内に定義されたSQL文を実行します。
3. SQLの実行
MyBatisがSQLを発行する際のプロセスは以下の通りです。
1. Configurationの読み込み: MyBatisの設定ファイル(mybatis-config.xml)が読み込まれ、設定が適用されます。
ここには、MapperのXMLファイルやデータベースの接続情報などが含まれます。
2. SqlSessionの取得: アプリケーションはSqlSessionを取得します。
SqlSessionは、SQL文を実行するためのインターフェースであり、openSessionメソッドを使用して取得します。
3. Mapperの取得: SqlSessionからMapperインターフェースの実装を取得します。
getMapperメソッドを使用して、TestUserMapperインターフェースのインスタンスを取得します。
4. メソッドの呼び出し: Mapperインターフェースのメソッド(この場合はselectUserById)を呼び出すと、MyBatisは関連するSQL文を実行します。
5. SQLの発行: MyBatisはXMLファイル内に定義されたSQL文を実行し、結果をResultHandlerを使って処理します。
resultTypeで指定されたクラス(この場合はTestUser)のインスタンスにマッピングされます。
6. 結果の取得: SQLの実行結果がTestUserオブジェクトとして返されます。
これをアプリケーションで使用します。
4. SQLの生成と実行の詳細
MyBatisは、SQL文の生成と実行のプロセスで以下のような詳細な手順を踏みます。
- プレースホルダーの置換: XMLファイル内で定義された*{id}などのプレースホルダーは、実際の値に置き換えられます。
これは、SQLインジェクション対策のためにプレースホルダーが使用されるためです。
- 動的SQLの処理: MyBatisはifやchooseタグを使用して、動的なSQL文の生成をサポートします。
たとえば、条件に応じて異なるSQLを実行する場合、XMLファイル内でifタグを使って条件を指定できます。
- 結果のマッピング: SQLの実行結果は、resultTypeで指定されたクラスにマッピングされます。
このプロセスでは、データベースのカラムとクラスのプロパティが対応付けられます。
このようにして、MyBatisはSQLの発行から結果のマッピングまでを効率的に処理します。