MybatisでLike検索でエスケープ処理を実装
MyBatisでのLIKE検索におけるエスケープ処理は、ユーザー入力に基づくSQLインジェクション攻撃を防ぐために非常に重要です。
LIKE検索では、ユーザーが特別な文字(例えば、%や_)を含む可能性があり、これらの文字はSQLクエリ内でワイルドカードとして解釈されます。
そのため、ユーザーが意図しない検索結果を引き起こす可能性があります。
エスケープ処理を適切に実装することで、これらの問題を回避できます。
LIKE検索のエスケープ処理の実装
1. エスケープ文字の選定
まず、LIKE検索で使用される特殊文字をエスケープするための文字(通常はバックスラッシュ \)を選定します。
このエスケープ文字は、検索条件に含まれる特殊文字をリテラルとして解釈させるために使用されます。
2. エスケープ対象文字の特定
LIKE検索で特に問題となる特殊文字は以下の通りです:
- % : 任意の文字列にマッチする
- _ : 任意の1文字にマッチする
ユーザーがこれらの文字を含む検索クエリを入力すると、それらはLIKE演算子内でワイルドカードとして解釈されます。
したがって、これらの文字をエスケープする必要があります。
3. エスケープ処理の実装
MyBatisでは、クエリを動的に生成する際に、エスケープ処理を行うためのメソッドを実装することができます。
以下に、MyBatisのMapperでLIKE検索のエスケープ処理を実装する方法について説明します。
Mapperインターフェースの定義
例えば、testUserMapperというMapperインターフェースがあるとします。
このインターフェースには、ユーザー情報を検索するためのメソッドが定義されています。
public interface testUserMapper { List<User> searchUserByName(@Param("name") String name); }
SQLマッパーXMLの定義
次に、対応するXMLファイルでLIKE検索のクエリを定義します。
この際、エスケープ処理を行うためにselectタグ内で適切な処理を追加します。
<select id="searchUserByName" parameterType="String" resultType="User"> SELECT * FROM users WHERE name LIKE CONCAT('%', REPLACE(REPLACE(REPLACE(#{name}, '%', '\\%'), '_', '\\_'), '\\', '\\\\'), '%') </select>
ここでの処理は以下の通りです:
- REPLACE(#{name}, '%', '\\%') : ユーザーが入力した%をエスケープ文字(\%)に置き換えます。
- REPLACE(..., '_', '\\_') : ユーザーが入力した_をエスケープ文字(\_)に置き換えます。
- REPLACE(..., '\\', '\\\\') : バックスラッシュ(\)自体もエスケープする必要がありますので、バックスラッシュを2つに置き換えます。
エスケープ処理の詳細説明
このエスケープ処理により、ユーザーが%や_を含む文字列を検索する場合でも、これらの文字がLIKE演算子のワイルドカードとして解釈されることはなくなります。
具体的には、ユーザーが%foo_という文字列で検索する場合、実際には%foo\_として処理され、%foo_という文字列が検索対象となります。
また、CONCAT関数を使用して、検索文字列の両端に%を付け加えることで、部分一致検索を実現しています。
4. テストの実施
実装後は、以下のようなテストを行い、エスケープ処理が正しく機能していることを確認します。
- %や_を含む文字列で検索し、意図した結果が得られるかを確認します。
- エスケープ処理が正しく行われているかをログなどで確認します。
このようにして、MyBatisでのLIKE検索におけるエスケープ処理を実装し、SQLインジェクションのリスクを軽減し、検索機能が意図通りに動作するようにします。