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短くて分かりやすい技術情報を記事として共有します。みなさんにとって学びになれば幸いです。

wordpressの権限について。設定方法やカスタマイズ方法。

wordpressの権限設定について

WordPressの権限設定は、サイトのセキュリティと管理の効率性を向上させるために重要です。
WordPressでは、次の主要な権限レベルがあります。

1. スーパー管理者 (Super Administrator): WordPressのマルチサイト機能を使用して複数のサイトを管理している場合にのみ存在します。
全てのサイトと設定にアクセスできます。

2. 管理者 (Administrator): WordPressサイトの全ての機能と設定にアクセスできます。
ユーザーの追加、投稿の管理、テーマやプラグインの変更などを行うことができます。

3. エディタ (Editor): ページや投稿の作成・編集、公開・削除が可能です。
他のユーザーが作成したコンテンツを管理することもできますが、テーマやプラグインの設定の変更はできません。

4. 著者 (Author): 自分が書いた投稿の管理と公開が可能です。
他のユーザーのコンテンツを管理することはできません。

5. 寄稿者 (Contributor): 新しい記事を書くことができますが、公開する権限はありません。
投稿は管理者かエディタによって審査され、公開されます。

6. サブスクライバー (Subscriber): サイトにログインする権限を持ち、プロフィールの編集やコメントの投稿が可能ですが、コンテンツの作成や編集はできません。

これらの権限は、WordPressの「ユーザー」メニューから設定できます。
サイトの特定のニーズやセキュリティ要件に合わせて、ユーザーに適切な権限を割り当てることが重要です。
また、セキュリティ上の観点から、必要な権限だけを持つユーザーに対して権限を与えることが望ましいです。

「ユーザー」メニューでの設定方法

WordPressの管理画面でユーザーの権限を設定する方法は簡単です。
以下の手順に従ってください。

1. WordPressの管理画面にログインします。

2. 左側のメニューから「ユーザー」を選択します。

3. 「ユーザー」画面で、既存のユーザーを編集する場合は、該当するユーザーの名前をクリックします。
新しいユーザーを追加する場合は、「新規追加」をクリックします。

4. ユーザーの編集画面で、ユーザー名やメールアドレスなどの基本情報を設定します。

権限設定
権限設定

5. 「ロール」(役割)という項目で、ユーザーに与える権限レベルを選択します。
適切な権限レベルを選択することが重要です。
複数のサイトを管理する場合は、マルチサイト環境での権限も設定できます。

6. その他の設定項目も必要に応じて変更します。
例えば、パスワードの変更やプロフィール情報の編集などがあります。

7. 全ての設定が完了したら、「ユーザーを更新する」または「新規追加」ボタンをクリックして変更を保存します。

これで、ユーザーの権限設定が完了しました。
設定した権限レベルに応じて、ユーザーはWordPressサイトの異なる機能や設定にアクセスできるようになります。

権限ごとに処理を分ける方法

WordPressで権限ごとに処理を分ける方法はいくつかあります。
ここでは、主な方法を紹介します。

1. 条件分岐を使用する:
WordPressでは、現在のユーザーの権限を確認するための関数が用意されています。
例えば、current_user_can()関数を使用して、ユーザーが特定の権限を持っているかどうかを確認できます。
これを使用して、特定の権限を持つユーザーにだけ表示されるコンテンツや機能を実装できます。
例えば:

if ( current_user_can( 'edit_posts' ) ) {
    // 編集権限を持つユーザー向けの処理
} elseif ( current_user_can( 'publish_posts' ) ) {
    // 公開権限を持つユーザー向けの処理
} else {
    // その他の権限を持つユーザー向けの処理
}

2. フックやフィルターを使用する:
WordPressでは、特定のアクションやフィルターにフックして、ユーザーの権限に基づいて処理を実行することができます。
例えば、add_action()やadd_filter()を使用して、ユーザーの権限ごとに異なる処理を実行するカスタムフックを定義できます。

3. カスタム権限を作成する:
WordPressの標準的な権限レベルに加えて、カスタム権限を定義して特定のユーザーグループに対して異なる権限を与えることもできます。
これには、add_role()関数を使用して新しい権限レベルを定義する必要があります。

これらの方法を組み合わせて、ユーザーごとに異なる機能やコンテンツを提供することができます。

新しく権限を作成する方法

WordPressで新しい権限を作成するためには、add_role()関数を使用します。
以下は、この関数を使用して新しい権限を作成する方法の例です。

// 新しい権限を追加する関数
function add_custom_role() {
    // 新しい権限を定義
    add_role(
        'custom_role', // 権限の識別名
        'カスタムロール', // ロールの表示名
        array(
            'read' => true, // 記事を閲覧する権限
            'edit_posts' => true, // 記事を編集する権限
            'upload_files' => true // ファイルをアップロードする権限
            // 他の権限を追加する場合は、ここに追加します
        )
    );
}

// テーマやプラグインの有効化時に新しい権限を追加
add_action( 'init', 'add_custom_role' );

上記の例では、add_role()関数を使用して新しい権限レベルを定義しています。
この関数の第一引数には、新しい権限の識別名を指定し、第二引数にはその権限の表示名を指定します。
そして、第三引数にはその権限が持つ能力(capabilities)を指定します。
ここでは、read(閲覧)、edit_posts(記事の編集)、upload_files(ファイルのアップロード)などの能力を設定しています。

このコードをWordPressのテーマのfunctions.phpファイルや、カスタムプラグインのファイルに追加すると、WordPressに新しい権限が追加されます。
その後、WordPressの管理画面でこの新しい権限をユーザーに割り当てることができます。

ただし、権限を削除する場合や、他の権限と組み合わせて特定の機能を制限する場合は、慎重に考える必要があります。
間違った権限の設定は、サイトのセキュリティや機能性に影響を与える可能性があります。