H2のデータベースはTomcatを再起動するとデータが初期化されるのか
H2データベースがTomcatを再起動するとデータが初期化されるかどうかは、H2データベースの設定方法と接続モードによります。
H2データベースには主に2つのモードがあります:
1. インメモリモード (In-Memory Mode)
- データベースはメモリ内に保持されます。
Tomcatが再起動されるとメモリがクリアされるため、データベースのデータも初期化されます。
この場合、データは再起動のたびに失われます。
- 接続URLがjdbc:h2:mem:testのようになっている場合は、インメモリモードで動作している可能性があります。
ちょっとした動作確認やテストで利用したい場合に便利なモードになります。
2. ファイルモード (File-Based Mode)
- データベースはファイルシステムに保存されます。
Tomcatの再起動後もデータは保持されます。
- 接続URLがjdbc:h2:~/testやjdbc:h2:/path/to/databaseのようになっている場合は、ファイルモードで動作している可能性があります。
この場合、再起動してもデータは失われません。
したがって、H2データベースがTomcatの再起動でデータを初期化するかどうかは、主にH2の接続モード(インメモリモードかファイルモードか)に依存します。
もしデータが再起動後も保持されることを望む場合は、ファイルモードを使用する設定を確認する必要があります。
SpringBootで使用する場合の設定方法
SpringBootでH2データベースを使用する場合、設定方法は以下のようになります。
H2データベースをインメモリモードで使用するか、ファイルモードで使用するかによって設定が異なります。
1. インメモリモードでの設定
インメモリモードでは、H2データベースはメモリ内にのみ保持され、SpringBootアプリケーションが停止するか、Tomcatが再起動されるとデータは失われます。
このモードは、主に開発環境やテスト目的で使用されます。
application.propertiesまたはapplication.ymlの設定
application.propertiesの場合
spring.datasource.url=jdbc:h2:mem:testdb spring.datasource.driverClassName=org.h2.Driver spring.datasource.username=sa spring.datasource.password= spring.h2.console.enabled=true spring.h2.console.path=/h2-console
application.ymlの場合
spring: datasource: url: jdbc:h2:mem:testdb driverClassName: org.h2.Driver username: sa password: h2: console: enabled: true path: /h2-console
2. ファイルモードでの設定
ファイルモードでは、H2データベースがファイルシステム上に保存されるため、SpringBootアプリケーションが停止したり、Tomcatが再起動されたりしてもデータは保持されます。
このモードは、より永続的なデータストレージが必要な場合に使用されます。
ただしファイルが無くなった場合は当然データは消えます。
application.propertiesまたはapplication.ymlの設定
application.propertiesの場合
spring.datasource.url=jdbc:h2:file:/data/demo spring.datasource.driverClassName=org.h2.Driver spring.datasource.username=sa spring.datasource.password= spring.h2.console.enabled=true spring.h2.console.path=/h2-console
上記の設定で、/data/demoというファイルパスにデータベースファイルが作成されます。
ファイルパスは適宜変更してください。
application.ymlの場合
spring: datasource: url: jdbc:h2:file:/data/demo driverClassName: org.h2.Driver username: sa password: h2: console: enabled: true path: /h2-console
3. H2コンソールの有効化
H2データベースのコンソール(WebベースのGUI)を有効にするには、上記の設定ファイルでspring.h2.console.enabled=trueを追加します。
また、spring.h2.console.pathでH2コンソールにアクセスするパスを指定できます(デフォルトは/h2-console)。
ブラウザでhttp://localhost:8080/h2-consoleにアクセスして、H2コンソールを利用できます。
デフォルトの接続設定(JDBC URL、ユーザー名、パスワード)はapplication.propertiesまたはapplication.ymlの設定に従います。
4. デフォルト設定の上書き
SpringBootでは、application.propertiesやapplication.ymlを使用してデフォルトの設定を簡単に上書きできます。
また、必要に応じて、Javaクラスで@Configurationアノテーションを使用して、DataSourceを手動で設定することも可能です。
import org.springframework.context.annotation.Bean; import org.springframework.context.annotation.Configuration; import org.springframework.boot.jdbc.DataSourceBuilder; import javax.sql.DataSource; @Configuration public class DataSourceConfig { @Bean public DataSource dataSource() { return DataSourceBuilder.create() .driverClassName("org.h2.Driver") .url("jdbc:h2:file:/data/demo") .username("sa") .password("") .build(); } }
上記の方法を使って、H2データベースをSpringBootアプリケーションで設定することができます。
使用するモード(インメモリまたはファイル)に応じて適切な設定を選択してください。