Mybatisのプリペアドステートメント
MyBatisにおけるプリペアドステートメントの利用
MyBatisでは、SQLインジェクションを防ぐためにプリペアドステートメントを使用することが推奨されます。
プリペアドステートメントは、SQLクエリにバインドパラメータを使い、実行時にこれらのパラメータがセットされることで、クエリの構造が固定されるため、外部からの不正なSQL文の挿入を防ぐことができます。
以下に、testTableというテーブルとtestMapperというMapperインターフェースを例に、MyBatisでのプリペアドステートメントの使用例を説明します。
1. 基本的なプリペアドステートメントの例
まず、testTableには以下のような構造を持つテーブルがあるとします。
- id: INT, PRIMARY KEY
- name: VARCHAR(255)
- age: INT
このテーブルに対して、名前と年齢を基にデータを取得するSQL文をプリペアドステートメントで実行します。
public interface testMapper { @Select("SELECT * FROM testTable WHERE name = #{name} AND age = #{age}") List<testEntity> selectByNameAndAge(@Param("name") String name, @Param("age") int age); }
上記の例では、selectタグを使ってSQL文を記述し、nameとageのパラメータをバインドしています。
これにより、SQL文がプリペアドステートメントとして実行され、パラメータは実行時にセットされるため、SQLインジェクションを防ぐことができます。
2. 動的SQLとプリペアドステートメント
MyBatisでは、動的SQLを使用して条件に応じて異なるクエリを実行することもできます。
この場合でも、プリペアドステートメントが使用され、SQLインジェクションから保護されます。
以下に、nameの条件がある場合とない場合で異なるSQLを実行する例を示します。
public interface testMapper { @Select("<script>" + "SELECT * FROM testTable" + " WHERE 1=1" + "<if test='name != null'>" + " AND name = #{name}" + "</if>" + "<if test='age != null'>" + " AND age = #{age}" + "</if>" + "</script>") List<testEntity> selectByDynamicConditions(@Param("name") String name, @Param("age") Integer age); }
この例では、selectタグの中でscriptタグを使用して動的SQLを記述しています。
ifタグを使って、nameとageのパラメータがnullでない場合にのみ条件を追加しています。
これにより、nameやageの値に応じて動的にクエリが構築されますが、プリペアドステートメントとして実行されるため、SQLインジェクションのリスクはありません。
3. 複数のパラメータとIN句の利用
複数のパラメータを扱う場合、例えばIN句を使用して複数のIDに一致するデータを取得する場合も、プリペアドステートメントを使って安全にクエリを実行することができます。
public interface testMapper { @Select("<script>" + "SELECT * FROM testTable WHERE id IN" + "<foreach item='item' index='index' collection='idList'" + " open='(' separator=',' close=')'>" + " #{item}" + "</foreach>" + "</script>") List<testEntity> selectByIds(@Param("idList") List<Integer> idList); }
ここでは、selectタグ内でforeachタグを使い、idListというパラメータに含まれるIDリストをIN句に展開しています。
このforeachタグの使用により、IDのリストが動的に生成され、各IDがプリペアドステートメントのパラメータとして扱われます。
4. 結論
MyBatisでプリペアドステートメントを利用することで、SQLインジェクションに対する強力な防御策となります。
上記のようなシンプルなクエリから、動的な条件を含むクエリ、複数のパラメータを扱うクエリまで、すべてがプリペアドステートメントの特性を活かして安全に実行されます。
これにより、アプリケーションのセキュリティが向上し、データベース操作が確実なものとなります。