Thymeleafのプリプロセッサ処理

Thymeleafのプリプロセッサ処理

Thymeleafのプリプロセッサ処理を使うと、テンプレートの解析と変換を行うことができます。
以下に例を示します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja"
  xmlns:th="http://www.thymeleaf.org"
  xmlns:pre="http://www.thymeleaf.org/pre-process">

<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>Thymeleafプリプロセッサの例</title>
</head>
<body>
  <!-- pre:eachを使ってリストをループ処理 -->
  <ul pre:each="item : ${items}">
    <li th:text="${item}">Item</li>
  </ul>

  <!-- pre:ifを使って条件分岐 -->
  <div pre:if="${showMessage}">
    <p th:text="${message}">メッセージが表示されます</p>
  </div>
</body>
</html>

この例では、pre:eachを使ってリストの各アイテムをループ処理し、pre:ifを使って条件分岐を行っています。
プリプロセッサ処理はテンプレートが解析される前に実行されるため、効率的に条件分岐やループ処理を行うことができます。

プリプロセッサ処理が使用される場面

Thymeleafのプリプロセッサ処理が使用される場面について、いくつかの例を挙げます。

1. 繰り返し処理の最適化

大規模なリストやコレクションを扱う際に、テンプレートの処理を最適化するためにプリプロセッサを使うことがあります。
例えば、大量のデータを表示するテーブルを作成する場合に有効です。

<!-- テーブルの行をプリプロセッサで処理 -->
<table>
  <tr>
    <th>ID</th>
    <th>名前</th>
  </tr>
  <tr pre:each="user : ${users}">
    <td th:text="${user.id}">ID</td>
    <td th:text="${user.name}">名前</td>
  </tr>
</table>

2. 条件分岐の事前処理

テンプレートがレンダリングされる前に、表示する要素を条件付きで準備しておく場合に使用します。
特に、表示すべき要素が多い場合に、レンダリングの効率を向上させます。

<!-- 特定のメッセージを条件付きで表示 -->
<div pre:if="${user.isLoggedIn}">
  <p th:text="'ようこそ、' + ${user.name} + 'さん!'">Welcome message</p>
</div>

3. テンプレートの動的生成

プリプロセッサは、テンプレートの特定部分を動的に生成する場合にも役立ちます。
例えば、複数の異なるテンプレートを結合して1つのページを作成する場合です。

<!-- プリプロセッサで動的にテンプレートを挿入 -->
<div th:replace="fragments/header :: header"></div>
<div th:replace="fragments/body :: body"></div>
<div th:replace="fragments/footer :: footer"></div>

4. デバッグや開発中の表示制御

開発中に特定の要素を表示・非表示にする際にもプリプロセッサを使用できます。
これは、デバッグ情報や開発中のみ表示したい情報を制御するのに便利です。

<!-- 開発中のみ表示するデバッグ情報 -->
<div pre:if="${debugMode}">
  <p>デバッグ情報: <span th:text="${debugInfo}"></span></p>
</div>

これらの例から分かるように、Thymeleafのプリプロセッサ処理は、テンプレートのレンダリング効率を向上させ、動的なコンテンツ生成や条件付き表示を柔軟に行うために役立ちます。